お客さまのために 新分野へあくなきチャレンジ
大鏡建設株式会社 代表取締役社長平良 修一(たいら しゅういち)── 2015年12月号掲載
このほど「全米で最も住みたい街」と評判のポートランドを巡行。
地元住民の住みやすさに重きを置いた街づくりに感銘を受けたという。
チャレンジ続けて40年 「お客さまのため」追求
── はじめに御社の概要についてお聞かせください。
従業員は80人、那覇市小禄を中心に南部から中部が主な営業エリアです。賃貸マンションやテナントの設計・施工・管理など、土地活用の提案を中心に行っています。その他、個人の住宅についても設計・施工を行っております。
── 御社の経営方針はどのような内容でしょうか。
お客さまのためにできることをやっていくということですね。設計・施工・管理を一貫して行っているのもその一つで、例えばアパートの場合、オーナーさまにとっては建ててからがスタート。建物が続く限りは入居やメンテナンスの問題にも随時対応いたします。
また、最近では資産の相続をサポートするコンサルタント事業も立ち上げました。弊社にとってのお客さまが望むものは、建物を得ることで生まれる安心感や将来の備えなど、必ずしも目に見えるものだけではないと捉えています。そういった建物だけではない“何か”を、弊社で提供していきたいですね。
── 御社は今年で創業40年を迎えたとのことですが、長く続けて来られた理由をどのように捉えていますか。
先代の時から「お客さまのために仕事をする」という基本を徹底して続けてきたこと。それから、社員と協力業者と共存共栄の意識でスタッフを大事にしてきたこと。そしてもう一つ、変化を恐れずチャレンジし続けてきたことが大事なポイントだと思います。
── コンサルタント事業の立ち上げもその一つですね。
はい。弊社は元々公共工事だけを行っていましたが、25年ほど前、先代社長の意向によって民間の土地活用へ挑戦することになりました。それを受けて社内で設計事務所を立ち上げ、設計・施工を請け負う形でアパート建設の提案事業をスタート。その15年ほど後、私が事業を更に徹底していこうということで賃貸物件の管理もスタートさせ、現在に至ります。
最近では宜野湾市佐真下に「ピタットハウス」のフランチャイズ店をオープンさせたのもチャレンジの一環ですね。ただし、やみくもに手を広げていくのではなく、お客さまの望んでいることをできるだけ全部こなせるようにしていこうという想いが基になっています。
── 新たな事業へチャレンジし続けることで生まれた発見などはありますか。
「お客さま目線」「お客さま満足」という言葉がありますが、それを実現することの難しさですね。お客さまがなぜ建物を欲しがっているのか、潜在的な想いやニーズは建物を建てただけでは分からない。管理業務の中で受けたクレームの内容を通して、お客さまがどのような点に重きを置いているかが見えてくることも多々あります。
また、社会の流れやトレンドも知っておくべきだと感じます。例えば近年は共働きの家庭が増えていますが、そういう家庭にとって最適な間取りを作る為、共働きのライフスタイルを研究する必要もあるでしょう。家電売り場を見ると、昔はあまり見なかった食洗機が広く利用されているようで、キッチンの広さについて考えさせられます。
生活に根付いたものほど、お客さまにアンケートを取っても見えてこないものが多い。そういった潜在的な需要に対して、お客さまの事を考えた上でどれだけこちらが提案していけるかという難しさはあります。
そしてもう一つ、アパートのオーナーにとっては先祖から譲り受けた土地をどう活用し、次の世代へ渡していくかが重要。どうやって運営していくか、どうすればスムーズに相続できるかが最もオーナーの頭を悩ませるところですので、そのサポートもしっかりとやっていかなければならないと思います。
── お客さまとのコミュニケーションが重要になってくると感じますが、気を付けている点はありますか。
気を付けるというほどではありませんが、「やってはいけない提案」をしないということですね。将来のことを考えて採算が合わないようなものは、お客さまが要望したものでも「やめましょう」とキッパリ断ることもあります。
住みよいコミュニティを考える
── 「チャレンジ」というキーワードが、御社の強みに繋がっているように感じます。
「お客さまのために」という想いを心掛ける中で、できるチャレンジはやっていますね。先ほども述べた設計・施工・管理に加えて、不動産相続の相談。そして、保険の代理店も取りました。県内でこれだけ手広くやっている企業も多くないと思いますので、総合力で勝負していきたいですね。
── 「入居者のニーズに応える物件」で考えているアイデアなどはありますか。
奇抜なものではなく、「一度住んだらよそには住めない」と感じさせるような住みやすさを味わえるものを造りたいというのはありますね。
例えば家族人数に応じて最も便利な間取りでコンセントや家具の最適な配置を徹底的にイメージして設定し、住まい方そのものを提案できるような物件があってもいいと思います。
あと最近強く思うのは、コミュニティの重要性。安心して住めるアパートの根幹を為すのはコミュニティであり、街であると思いますね。どんなに快適な間取りでも、隣に住んでいる人と揉め事になったら入居者は離れていきますし、治安が悪いエリアだったらまず選ばれないでしょう。住みよいコミュニティづくり、ひいては街づくりというのもやっていきたいですね。建築の話からは遠ざかっていますが(笑)、建物を建てることはこちらの意識に関係なく街づくりに関わっているものなので、やらないといけないことだと考えています。
── 御社の社名からも地域に根差した考え方が伝わってきますね。※大鏡建設の社名は創業者の出身地・那覇市鏡水が由来
専門家招きセミナー運営 家主・地主の悩み解消
── ところで、月1回「かりゆし倶楽部」というセミナーを開催していると伺いましたが、どのような内容でしょうか。
これも「お客さまのために」という観点で生まれたものの一環ですね。これについては特に宣伝していませんが、アパート等を建てた後に出てきたお客さまの悩みを、講師の先生の話を通して解消してもらおうと始めました。今年で4年目になります。
── これまでのスケジュールを見ると、アパート経営に関するものや相続の話などテーマが多岐に渡っていてどれも勉強になりそうなものばかりです。
毎回40~50人の参加者があります。お客さまが望んでいる情報であり、弊社にとっても勉強になる内容です。お客さまに喜んでいただければ幸いですね。
大鏡建設株式会社
- 所在地
沖縄県那覇市小禄912
- 営業時間
09:00~18:00
- 定休日
第2、4水曜日・日曜日・祝祭日
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有限会社大吉宅建
名嘉眞 妙子さん