中古物件って本当に大丈夫?購入時の不安や疑問を解消!|沖縄リライフ

中古物件って本当に大丈夫?購入時の不安や疑問を解消!

2020.03

中古物件って本当に大丈夫?購入時の不安や疑問を解消!|沖縄リライフ

リノベーションはその対象となる物件があってこそ。
物件の購入を考えていらっしゃる方、親御さんから譲り受けた物件をお持ちの方など状況はさまざまですが、安心して長く住み続けたい気持ちは共通しているはずです。

特に沖縄では潮風による塩害問題もあるため、より一層心配されている方が多いのではないでしょうか。

そこで、誰もが最初に抱くであろう「中古住宅は大丈夫なの?」という疑問にお答えします。

目次

「旧耐震」でも大丈夫?

中古物件を見る際にひとつの目安となるのは「耐震基準」です。

1981年5月以前に建築確認を申請した建物はいわゆる「旧耐震」扱いとなりますが、その建物全てが耐震性に問題があって危険、というわけではありません。

実際、全国で約20%のマンションが旧耐震となっており(注)、1981年より以前に建てられていても修繕しながら使われ続けているマンションが数多くあります。また、耐震基準を十分満たしているため建て替えずに設備の取り替えで済んでいる建物もあります。

(注)参考:国土交通省「分譲マンションストック戸数」

中古物件の購入を検討するとき、築年数はどれくらい重要?

築年数については、状況によってさまざまな考え方があります。価格面では、築年数が浅い物件は価格が下がりにくいため、築20年くらいの物件を購入される方が多いのではないでしょうか。

確かに築年数が浅いほど、価格が高く価値があるように思えます。しかし、築30年ほどの建物でも十分にメンテナンスされ綺麗さを保てている物件もあります。

一方で、価格が一気に下がる築5年程度の物件に狙いをつけて購入される方もいらっしゃいます。両親が資金援助をしてくれる場合などは、安心のために多少金額が高くても築浅の物件を選ぶこともあるようです。しかし、築5年で全面的なリノベーションをするのは、少し心苦しいものがあります。

築50年の平屋、リノベーション前の外観
Before築50年の平屋、リノベーション前の外観
リノベーション後の外観。外構には花ブロックを採用し、元のイメージを払拭。沖縄らしさを取り込んだ。
Afterリノベーション後の外観。
外構には花ブロックを採用し、元のイメージを払拭。沖縄らしさを取り込んだ。

築年数は今後の建物の寿命に影響する?

わたしたちプロの答えは「ノー」です。
その土地の気候に合わせてメンテナンスすれば、鉄筋コンクリートは基本的に100年くらい保つと言われています。
「躯体補修」や電気配線・給排水管の入れ替えといった「インフラ更新」に費用をかければ、物件を充分に蘇らせることができます。

ご購入を検討されている方は、まずはいくつかの中古物件を見てみて、築年数だけでなく現在の管理状態を確認してみましょう。
マンションなら修繕計画の内容もぜひ重視してください。マンションの管理やメンテナンス状況は、管理会社に依頼することで履歴を見せてもらうことができます。
そして何より、信頼できる不動産会社やリノベーション会社の担当とじっくり話し合い、ひとつひとつの疑問や不安を解決してから購入に進んでください。

当時は倉庫として使用されていた離れ。鉄筋は錆びて腐食している。
Before当時は倉庫として使用されていた離れ。鉄筋は錆びて腐食している。
「躯体補修」を経て完成したSPICE MOTEL(カフェ内)の様子
After「躯体補修」を経て完成したSPICE MOTEL(カフェ内)の様子

古い設備はリノベーションでどこまで新しくできる?

まずはインフラについて。
一戸建てはもちろんマンションでも、水道や電気メーターなど室内側の配管や配線は原則として全て新しくできます。使えるものは再利用しますが、古い給水管で錆びてきているものは、リノベーションの機会に錆びないタイプの管に交換することをおすすめします。

次に設備機器について。
ユニットバス、洗面台一式、キッチンなど古い設備機器も交換できます。ガス給湯器は寿命が10年~15年なので、リノベーションを機に交換することが多いです。電気温水器のマンションでも、場合によってはガスの給湯器に変更できることがあります。

最後に

中古物件に対する疑問や不安を解消できましたでしょうか。

中古物件は築年数に関わらず、手入れ次第で息を吹き返しより長く住み続けることができます。購入を検討している物件があれば、まずはリノベーション会社に相談をして設計者に建物をチェックしてもらうことから始めましょう。
全て新しくするのではなく、リノベーションで中古物件の魅力を引き出して、あなたの暮らしに合う住まいづくりをしてください。

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この記事を書いた人

森岡 瑞穂(もりおか みずほ)

森岡 瑞穂(もりおか みずほ)

自身の希望で大阪本社より沖縄事務所に赴任し、同社運営のホテルスタッフも兼務。リノベーションした住宅で暮らしています。

株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所

株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所 リノベーション協議会

自分らしい住まいと新しい空間づくりの提案。1994年設立。日本におけるリノベーションの黎明期から活動し、住まいやオフィスを『リノベーション』で魅力的に再生することを得意としています。

不動産のプロであるコーディネーターと建築士の資格をもった設計者が、物件探しから設計・施工、引き渡しまでトータルにサポート。ビルやアパートの再生コンサルティングも承ります。

沖縄事務所は老朽化したホテルを全面的に再生し自ら運営もするSPICE MOTEL内にあります。

※株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所はリノベーション協議会の会員です。