オール電化の賃貸物件に住む
メリットと注意点
2018年9月号掲載
賃貸物件の情報を見ていて、「オール電化」と書かれた物件が目に留まることが増えました。オール電化の賃貸物件とは、どのような物件なのでしょうか?
オール電化物件に住むメリットや知っておきたい注意点とあわせてご説明します。
そもそも「オール電化住宅」って?
オール電化住宅とは、その名のとおり「家庭内で必要なエネルギーをすべて電力でまかなう住宅」のことを言います。
一般的な住宅では、給湯器や調理用のコンロなどはガスを使用するのが主流でした。これ以外にも、ガス炊飯器やガスストーブなどといったガス機器を使用するご家庭もあります。こうしたガス機器を使用していた部分をすべて電気機器で使用するのがオール電化住宅です。
例えば、給湯器はエコキュートや電気温水器、キッチンにはIHクッキングヒーターといった具合です。
近年では、賃貸用のマンションやアパートにも、オール電化タイプの物件が増えてきています。オール電化であるということでほかの物件と差別化できることや、火事のリスクが少ないことなど、大家さんにとっても所有している物件をオール電化にすることはメリットが多いためです。
オール電化の賃貸物件に住むメリット
オール電化の賃貸物件に住むメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
火事が起こりにくい
オール電化物件では火を使わないため、火事が起きにくくなります。
借主が不注意などによって火事を起こしてしまった場合、借主が現状復帰させる必要があるため、火事が起こりにくいことは借主にとっても大きなメリットです。また、建物全体がオール電化となっているため、ほかの住人による火事に巻き込まれる可能性も少なくなります。
IHクッキングヒーターは便利で快適
IHクッキングヒーターはシンプルな構造のため、ガスコンロと比べて掃除が大幅に楽です。安全性の高さはもちろん、火力の高さや使い勝手の良さもガスコンロに劣りません。
家計管理がシンプルに
毎月のガス料金と電気料金をそれぞれ支払う必要がなく、電気料金の支払いに一本化できるため、家計の管理がシンプルで把握しやすくなります。
オール電化物件を選ぶときの注意点は?
メリットの多いオール電化の物件ですが、以下のような注意点もあることを理解しておきましょう。
停電に弱い
家庭内のすべてを電力でまかなっているため、停電になるとキッチンもお風呂も使えなくなってしまいます。停電の頻度が多い地域では注意が必要です。
日中に電気を使用すると割高になる
オール電化住宅では、電気料金の安い深夜にお湯を沸かすのが前提のため、電気料金は深夜が割安、昼間が割高になる料金プランで契約することになります。
日中ずっと家で過ごして、冷暖房などを使用し続けるような生活スタイルの方には不向きです。
IH用の鍋などが必要になる
IHクッキングヒーターでは、IH対応の鍋やフライパンしか使えません。これらを持っていない方の場合、オール電化の賃貸物件に入居する際に購入する必要があるため入居の際の初期費用が、その分多くかかることを計算に入れておきましょう。
オール電化の賃貸物件のメリットや注意点をご理解いただけたでしょうか?
例えば平日の日中は仕事で家を不在にすることが多く、自宅で過ごすのが主に夜間から朝にかけてだという方などには、オール電化物件は安全かつ節約にもつながる住まいだと思います。ご自身の生活スタイルと合わせて検討なさってみてはいかがでしょうか。