「敷金」「礼金」の違いと「ゼロゼロ物件」について|沖縄の住まい・住宅に関するお役立ち情報

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賃貸物件に入居するときに支払う
「敷金」と「礼金」って?

2018年4月号掲載
賃貸物件に入居するときに支払う「敷金」と「礼金」って?

賃貸物件に入居するときは、家賃の数ヵ月分の金額を支払うことになるのが一般的です。その大部分を占める「敷金」と「礼金」ですが、それぞれどういった意味合いを持つお金なのかをご存知でしょうか? ここでは、賃貸物件に住むなら知っておくべき敷金と礼金についての基礎知識をお伝えします。合わせて、最近増えている敷金礼金ともに不要な「ゼロゼロ物件」についても知っておきましょう。

「敷金」は担保として預け、退去時に返ってくるお金

敷金とは、部屋の修繕やクリーニングなどの費用として事前に貸主に預けておくお金のことを言います。退去時には、修繕費やクリーニング代を引いた残りの金額が返ってくるのが基本です。

国土交通省のガイドラインでは、借主が普通に生活していて生じた汚れや経年劣化による損傷などの修繕費用については貸主が負担し、借主の故意や過失などによって生じた汚れや損傷などの修繕費用については借主が負担するよう定められています。

また、何らかの理由で借主が家賃を支払い続けられなくなったときには、敷金から補填されることになります。貸主にとって敷金とは、家賃滞納リスクに対する担保という意味合いのあるお金なのです。家賃滞納などがない場合、敷金から借主負担分の原状回復費用を引いた金額が返還されるというわけです。

敷金の相場は地域によっても異なりますが、家賃の1~3ヵ月分の金額に設定されている場合が多いです。

「礼金」は大家さんへ謝礼として渡すお金

礼金とは、文字通り部屋を借りることに対する謝礼として、借主から貸主へ支払うお金のことを言います。敷金が退去時に返還されるのに対して、礼金は返還されることはありません。

礼金についても相場は地域により異なりますが、家賃の1~1.5ヵ月分の金額に設定されることが多いです。

もともと礼金は、大家さんの手間に対する感謝の気持ちとしてお金を渡していたものが、現在でも慣習的に続いているものです。近年では、入居時の初期費用を抑えたい借主のニーズに応える形で礼金なしとする物件も増えています。

敷金0礼金0の「ゼロゼロ物件」は本当にお得?

礼金についてはゼロとする物件も増えてきていますが、担保の意味合いを持つ敷金についてはまったくなしと設定する物件は少ないです。そんな中、敷金・礼金ともに不要となっている物件は「ゼロゼロ物件」と呼ばれています。入居者にとって引っ越しにあたって初期費用を抑えることができる点がうれしいですが、単純にゼロゼロ物件だからお得だとは言えない場合もあるため注意が必要です。

例えば、敷金を支払わないということは、借主負担分の原状回復費用を退去時に請求されることになります。入居時の負担は少なくなりますが、退去時に費用が多くかかるというわけです。また、家賃の担保としての敷金を預けていないことから、家賃滞納への対応が厳しい場合が多いです。

住環境などに問題があり、なかなか借り手が見つからないため敷金礼金ゼロとしている物件もあります。ゼロゼロ物件を選ぶ場合は、こうした点を理解したうえで本当にお得なのかをきちんと検討なさることをおすすめします。

それぞれ別の意味を持つ敷金と礼金。きちんと把握して本当にお得な物件を見極めよう!

賃貸物件に住むなら知っておくべき敷金と礼金について、その意味や性質の違いをご紹介しました。敷金も礼金も初期費用として支払うお金ですが、それぞれ別の意味を持つものです。きちんと把握して、本当にお得な物件を見極めましょう。