マンションの売却額は階数で決まる?低階層でも高値で売却するには
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2024.01.25
マンションの売却額は、階数によって大きく左右され、一般的に低層階のマンションよりも眺望や日当たりが良い高層階の方が売却額が高くなります。しかし、売却予定のマンションが低階層だからといって高値で売れないというわけではありません。
マンションの売却査定では、階数以外にも売却額を左右する6つのポイントがあります。今回は、マンションの売却額が高層階ほど高くなる理由や低階層でも高値での売却を実現する方法についてわかりやすく解説していきます。
目次
マンションの売却額は階数に左右される
マンションは、階数によって眺望や住み心地、販売価格が大きく異なります。一般的にマンションの売却額は、眺望や日当たりが良い高層階の方が人気が高く高値で売却できる傾向にあります。一方で階層が低いほど、売却額が下がる傾向にあります。
不動産業界では、マンションの階数が1つ上がるごとに0.5%〜2.5%ほど販売価格が上昇するといわれています。そのため、1階マンションの販売価格が2000万円なら5階部分は2050万円~2250万円と仮定できます。このように、1階と最上階では販売価格に2倍以上の差がつくことも珍しくありません。
マンションの売却額が高層階ほど高くなる理由
マンションの売却査定において売却額が高層階ほど高くなるのは、主に次の4つの理由があります。
眺望が素晴らしい
高層階のマンションは、目の前を遮る建物がないため眺望が良くなります。高層階になると海や山、公園などの美しい景観が見渡せるため、住まい探しを行う住人にとって非常に魅力的です。
眺望が素晴らしい部屋は、価格設定が高くても買主が見つかりやすく、自然と売却額が高くなります。
日光を遮るものがなく日当たりが良い
高層階に位置するマンションは、日光を遮るものが少ないため、日当たりが良いです。室内空間の明るさは住環境の快適性を向上させ、価格にプラスの影響を与えることがあります。
日光が差し込む部屋では、あたたかい日光による暖房効果が期待できます。日光が壁や床、家具などに当たると少しずつ部屋全体をあたためます。そのため、日差しが差し込むマンションは、冬でもあたたかく過ごしやすいという特徴から人気があり高値で売却できます。
特に南向きのマンションは、1日中日差しが差し込むため、もっとも日当たりが良いといえます。
騒音や振動が少なく静かで快適に暮らせる
高層階のマンションは、地上階よりも騒音や振動による影響が少ない傾向にあります。都市の騒音や通行人の声、交通騒音から遠く離れているため、物音が気にならない部屋は静かで快適な生活を送りたいと考える人からの人気が高く、売却額の高価格化につながっています。
マンションの構造によっては、上下左右の住人と壁や床を通して音が伝わりやすいことがあります。そのため、上階の住人の足音や物音が聞こえてくると、生活で大きなストレスを受けてしまいます。
マンション階層の中でも最上階では、上からの足音や物音に悩まされることはありません。そのため、特に最上階は静かな環境で生活したい人や騒音トラブルを避けたい人からの人気が高く高値でも売れやすいといえます。
希少性の高い要因が揃っている
高層階のマンションは、低層階に位置する部屋と比べて戸数が限られているため、希少性が高いといえます。高層階は眺望が素晴らしいことはもちろん、日光を遮るものがなく日当たりも良いため静かで快適に暮らせるという希少性の高い要因が揃っています。
他にも、最上階に位置するマンションは周囲の建物や住人からの視線が少なく、プライバシーが保たれます。これは住まい探しを行っている多くの人にとって非常に魅力的であるため、売却額が高くなる傾向にあります。
マンションの売却査定で階数以外で査定額が上がる6つのポイント
マンションの売却額は、階数だけで決まるわけではありません。次に、低階層のマンションでも査定額が上がる階数以外の6つのポイントについてご説明します。
日当たりと方角が良い
南向きや西向きの方角の部屋は、日当たりが良くあたたかい日光を受けられるため、住まい探しをする方にとって非常に魅力的です。日当たりの良さは住環境を向上させ、査定額を高める傾向があります。
また、日当たりの良いマンションは、明るい気持ちになるだけではなく光熱費や電気代などの節約にもつながります。一般的に日当たりの良い方角と聞くと「南向きの部屋」をイメージされるケースが多いです。南向きの部屋は、1日中日差しが差し込むため、他の方角の部屋と比べてもっとも日当たりが良く人気も高いです。
一方で、北向きの部屋は日当たりが悪く冬場は寒いため、南向きの部屋と比べると売却額が下がります。仮に、同じ眺望の部屋があった場合、売却額は南向きを基準に西向きと東向きは4%程度、北向きが8%程度安く設定されます。
築年数が新しく最新設備も採用されている
新築マンションや最新の設備は、買主にとって魅力的です。築年数が新しく最新設備が備わったマンションは、快適に暮らせるため人気が集まりやすく査定額も高くなる傾向があります。
逆に、築年数が経過すると資産価値が下がっていきます。東日本不動産流通機構の中古マンションの築年帯別平均価格を参照すると築年数の経過が価格に大きく影響していることがわかります。/p>
このように築年数が20年以上になると不動産価格は半分程度になります。そのため、少しでも高値で売却したい場合は、築年数の浅いうちに早めに売却しておきましょう。
周辺環境が充実している
マンションの周辺環境は、不動産の価値に大きな影響を与える重要な要因のひとつです。そのため、マンションの周辺環境が充実している場合、売却査定額が上昇する可能性が高いです。
たとえば、子育て世帯にとって近くに良質な学校や教育施設があることは非常に重要です。学校の評判が高い場合、それがマンションの価値を高めます。他にも、近くに公園やスポーツ施設、美術館、図書館などの公共施設がたくさんある場合、暮らしの利便性が向上します。また、娯楽施設を通じて暮らしを楽しむこともできます。それによって、人々の交流が増え地域とのつながりも深まっていくでしょう。
他にも、マンションが公共交通機関にアクセスしやすい場所にあると、通勤や通学が便利なのはもちろん、買い物や娯楽施設へ行くのが容易になります。このようにアクセスの良さは生活の利便性を向上させ、査定での評価を高めます。
地震などの災害に強く耐震性が高い
地震などの災害に強く耐震性が高いマンションのほうが査定額が上がりやすい傾向があります。たとえば、不動産流通推進センターが公開している価格査定マニュアルでは、耐震性の高さに応じて評価ポイントが高くなっています。一方で、中古マンションの評価項目の基準を満たしていない場合は、マイナス評価となります。
耐震性の高いマンションなら、いつどこで発生するかわからない地震やその他の災害によって生じるリスクを抑えられるため、住まい探しを行う買主にとって非常に魅力的です。また、耐震性が高いほど、長期的な耐久性を持つため修繕や補強が必要な場合でもその頻度が低くなります。
他にも、一部の地域では耐震性に関する法的要件が存在し、建物の耐震性の向上が義務付けられていることがあります。耐震性の高い建物は法的要件に適合するため、査定にプラスの影響を与えます。
毎月の管理費や修繕積立金の負担が少ない
マンションでは、共有部分の掃除や維持のために管理費が発生することに加え、15年に1度の周期で大規模修繕が行われます。大規模修繕とは、マンションの建物や設備の老朽化を防ぐために定期的に行う大規模な修繕工事のことです。具体的には、外壁や屋上、給水管、排水管、エレベーターなどの修繕や防水工事、耐震補強工事などが行われます。
大規模修繕は、マンションの価値を維持するために欠かせない工事です。修繕が不十分なまま放置すると建物や設備の劣化が進み、マンションの価値が下がるだけでなく住人の安全や快適性が損なわれる恐れもあります。そのため、大規模修繕工事は安全性や耐久性を維持するために必要とされています。
大規模修繕の費用は、マンションの規模や築年数、工事内容によって異なりますが一般的に数千万円から数億円程度の費用が発生し、住民によって支払われる修繕積立金から賄われます。
もし、毎月発生する共有部分の管理費や修繕積立金の負担が大きい場合、買主負担となるため査定額が下がることがあります。一方で築年数の経過した古いマンションでも、しっかりと定期的に共用部分の掃除が行われており、大規模修繕工事を実施した後なら以前よりも建物の性能や機能が向上しているため査定額が上がる傾向があります。
施工会社の信頼性が高い
マンション査定において大手ゼネコン(建設会社)や大手デベロッパー(不動産開発会社)がプロジェクトに関与している場合、不動産の査定額が上がる可能性が高いです。
また、大手のゼネコンや大手デベロッパーは信頼性と資金力があり、万が一のトラブルが発生した際にも迅速に対応できる体制が整っています。そのため、安心して暮らせるマンションとして評価され、査定額が高くなる傾向があります。具体的には、以下の点が施工会社の信頼性を示す指標となります。
- 施工会社の実績や規模
- 施工会社の技術力や品質管理能力
- 施工会社の資金力や対応体制
一方で、施工不良を起こすような会社が施工主である場合は、査定額が下がる傾向があります。
マンション低階層でも高値での売却を実現する3つの方法
マンションの低階層でも次の3つの方法なら高値での売却を実現しやすくなります。
分譲元の不動産会社に相談する
分譲元の不動産会社は、そのマンションについて豊富な情報を持っており、ベストな販売方法や管理の仕方についてしっかりと理解しています。彼らに相談すれば、マンションの特徴や魅力を最大限に高め、適切な価格で売却する支援を受けることができます。
特に有名な施工会社が建設したマンションは、自社物件に限定して住まい探しを行っている顧客を抱えています。顧客は「自社物件」や「自社販売」にブランドの信頼性と品質に期待を寄せ購買意欲を高めます。
このように低階層のマンションでも高値で売却したいのなら、分譲元の不動産会社に査定を依頼してみましょう。
リフォームやリノベーションで差別化を図る
マンションの低階層は、高階層と比べて日当たりや眺望に劣るなどのデメリットがあります。そのため、リフォームやリノベーションでこれらのデメリットを解消することで、差別化を図ることができます。リフォームやリノベーションでできることは、以下のとおりです。
- 間取りを変更して日当たりを改善する。
- 収納を増設して使い勝手を向上させる。
- 設備を最新のものに交換して快適性を向上させる。
また、リフォームやリノベーションで、以下のような付加価値をつけることもできます。
- 防犯性や耐震性を向上させる。
- バリアフリー化を図る。
リフォームやリノベーションは、古い建物や低階層のマンションでも新たな魅力を引き出し、高値での売却を実現するための効果的な手段となります。ただし、リフォームやリノベーションには多くの費用を要すため、事前に費用対効果や規約、将来的な影響などを十分に検討した上で行うようにしましょう。
3社以上の不動産会社に相談する
不動産会社によって査定額や売却アプローチの仕方は異なります。3社以上の不動産会社に相談することで異なる価格の提案を比較できるため、より高値での売却を実現できる可能性が高まります。
また、不動産市場のトレンドや地域の需要について異なる視点を得ることができるため、適切な価格設定に役立ちます。マンションの売却査定を依頼する不動産会社を選ぶ際は、評判や信頼性、専門知識を評価し、不動産会社とのコミュニケーションと協力がスムーズであることが大切です。
グーホームの一括査定を利用すれば、国内でも有名な大手不動産会社はもちろん、地元密着の不動産会社に査定を依頼できます。オペレーターが売主の要望に合わせてベストな不動産会社をご紹介しますので、ぜひお問い合わせください。
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【まとめ】低階層のマンション査定額は眺望や周辺環境などで変わる
マンションの査定額は、階数に大きく影響を受けます。高階層のマンションは、眺望が良いため住まい探しを行う方からの人気が高く、査定では非常に有利です。
しかし、査定額はマンションの階数だけでなく、周辺環境や築年数など、多様な査定項目によって決まってきます。そのため、低階層のマンションを少しでも高値で売りたいのなら階数だけではなく、他の魅力的なポイントを不動産会社に伝えることで査定額を上げることができます。