レインズ(REINS)とは?仕組みや不動産売却時の賢い使い方について|不動産の価値×売却コンテンツ

レインズ(REINS)とは?仕組みや不動産売却時の賢い使い方について

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2024.08.19

レインズ(REINS)とは?仕組みや不動産売却時の賢い使い方について|不動産の価値×売却コンテンツ
出典:写真AC

不動産の売却を検討しているとレインズ(REINS)という聞きなれない言葉を耳にすることがあります。一般の方にとってレインズは馴染みのないものですが、不動産売買において非常に重要な役割を果たします。

今回は、不動産売買においてレインズはいったいどのような仕組みとして機能しているのか、不動産売却時の賢い使い方についてわかりやすく解説していきます。

目次

レインズ(REINS)の目的や物件の閲覧について

レインズ(REINS)とは、「Real Estate Information Network System」の略称で、国土交通大臣が指定している不動産流通機構が運営・管理を行っている不動産取引の情報ネットワークシステムのことです。

レインズ(REINS)の目的や物件の閲覧について
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レインズが設計された目的

レインズの初期段階のシステムは、1986年に設計・公開されました。当時はインターネットが普及していなかったため、不動産取引に関するポータルサイトが存在しない状況でした。

そのため、不動産会社の中で売主の両手仲介が頻発し、大きく問題視されることになります。両手仲介とは、1つの不動産に対して1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行って、両者から仲介手数料を得る方法のことです。両手仲介は、不動産を「少しでも高く売りたい」と考える売主と「少しでも安く買いたい」と考える買主の相反する要望を1社で対応するため、売買契約を成立させるのは簡単ではありません。

一方で、不動産売買において理想とされているのは片手仲介です。片手仲介とは、1つの物件に対して売主と買主に別々の不動産会社が仲介を行うことです。片手仲介は、両手仲介と比べて仲介手数料が半分になりますが、別々の不動産会社が売主と買主を見つけるため、効率良く売買契約を交わすことができます。

当時、一部の不動産会社は、両手仲介でもっとも多くの仲介手数料を得る取り組みを行っていましたが、それでは売主の売却のチャンスが損なわれ、大きな不利益につながってしまいます。そういった背景によって登場したのが全国の不動産流通システムのレインズです。

不動産会社は、法律によって売主との媒介契約の内容に応じて不動産情報をレインズに掲載する義務を負っているため、すべての物件情報は全国で共有されるようになっています。この仕組みによって売主の売却の可能性は、大きく広がっていきます。

しかし、売主から物件の売却相談があっても両手仲介の可能性を高めるためにレインズに登録しない不動産会社も存在します。そのため、なかなか買主が現れない場合は、不動産会社がレインズに登録しているかしっかりと確認してみましょう。

一般人(個人)の売主でも閲覧できる?

レインズを不動産の最新相場を知るための情報収集に利用したいという方もいるでしょう。媒介契約を行った売主は自己所有の物件情報に限って閲覧できますが、個人情報保護の観点から不動産会社ではない一般人が他の方の過去の売却金額を調べたり、物件情報の登録を行うことはできません。

しかし、「REINS Market Information」を使えば、個人情報を特定できない形式で過去の売却価格やエリア、相場などを調べることができます。自己所有の物件に近い売却事例を表示できるため、自宅にいながらでも効率的に相場の把握が可能です。

レインズで物件掲載する3つのメリット

物件情報をレインズに登録・掲載することで次のようなメリットがあります。

レインズで物件掲載する3つのメリット
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物件を早く売却しやすくなる

物件情報をレインズに登録する最大のメリットは、レインズへの物件情報の登録完了と同時に、全国に存在するすべての不動産会社に対して一気に情報共有できるため、多くの人の目にとまりやすく、物件を早く売却しやすくなることです。実際に、物件公開を行ってから1日が経過する前に購入希望者からお問い合わせがくることも少なくありません。

もし、レインズに物件情報を登録しない場合、相談先の不動産会社が抱える顧客か、市内に配布されたチラシを見た人だけにしか物件情報が広がっていきません。その結果、売却アプローチできる範囲や数が非常に少なくなり、買主を見つけられる可能性が低くなってしまいます。

数多くの不動産業者に問い合わせる必要がなくなる

レインズの不動産取引サービスが公開される前は、売主は物件を早く売却するために、数多くの不動産会社に売却依頼を行って、その物件の宣伝力を高める必要がありました。不動産会社をひとつずつ回って売却相談を行って媒介契約を交わすとなると、すべての対応に多くの時間を要することになるでしょう。

しかし、レインズに物件情報を登録することで全国の不動産会社に情報発信が行われるため、数多くの不動産会社に売却依頼する必要がなくなり、時間と労力を省くことができます。

売主が物件情報を自由にアピールできる

新聞の折り込みチラシやフリーペーパーなどの広告媒体では、掲載可能な図面の記載項目が決まっているため、売主が希望する間取り図を自由に掲載することはできません。しかし、レインズなら間取り図の記載項目に制限がなく売主がアピールしたいポイントを自由に掲載できます。

売主オリジナルの間取り図は、新聞の折り込みチラシやフリーペーパーなどの間取り図と比べて、物件の魅力をしっかりとアピールできるため、より多くの買主からのお問い合わせを増やすことにつながります。

不動産売却時のレインズ登録義務と媒介契約の関係性

レインズは、売主が買主探しを行ってくれる不動産会社と締結する「媒介契約」と深い関係性があります。不動産会社へ仲介を依頼する場合、宅地建物取引業法に基づいて次のような媒介契約を交わします。

項目 専任媒介契約 専属専任媒介契約 一般媒介契約
他社の不動産会社との契約 できない できない できる
自己発見取引
(自分で買主を見つけ直接取引できる)
できる できない できる
売主への報告義務 2週間に1回の報告義務あり 1週間に1回の報告義務あり 報告義務なし
レインズ掲載義務 媒介契約後7日以内の掲載義務あり 媒介契約後5日以内の掲載義務あり 掲載義務なし
媒介契約の期間 最大3ヵ月 最大3ヵ月 期限なし

それぞれの媒介契約の特徴について、詳細をご説明します。

不動産売却時のレインズ登録義務と媒介契約の関係性
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専任媒介契約の特徴

専任媒介契約は、不動産会社1社にしか物件売却について依頼できませんが、自分で買主を見つけて直接取引できる自己発見取引が認められています。専任媒介契約を交わすとレインズへの登録義務が発生するため、媒介契約から7日以内に掲載作業を済ませる必要があります。

また、不動産会社は2週間に1回の報告義務があるため、売り出し物件に対してどれくらいのお問い合わせがあるのか、どのような売却アプローチを行っているのかといったことを売主に報告してくれます。

契約期間は最大で3ヵ月となっていますが、もしその期間で買主を見つけることができなかった場合は契約更新によって期間を延長できます。

専属専任媒介契約の特徴

専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同様に不動産会社1社にしか物件売却を依頼できません。また、自己発見取引が認められていないため、自分で買主を見つけることができても、物件を売却するには専属専任媒介契約を交わした不動産会社を通さなければいけません。専属専任媒介契約にはレインズへの登録義務があるため、5日以内に掲載作業を終える必要があります。

また、不動産会社は1週間に1回の報告義務を負うことになり、契約期間は最大で3ヵ月となっています。専属専任媒介契約の場合、不動産会社は自己発見取引によって成約の機会を奪われることがないため、買主への積極的な売却アプローチが期待できます。ただし、売主が自分で買主を見つけられる可能性が少しでもある場合は、この媒介契約方法はやめておきましょう。

一般媒介契約の特徴

一般媒介契約は、自己発見取引が認められており複数の不動産会社に対して物件売却の依頼を同時にできます。一般媒介契約で契約する際は、書式が明示型と非明示型の2つから選べます。

明示型とは、どこの不動産会社に並行して売却依頼を行っているのか社名と所在地を通知する書式のことです。明示型の場合、不動産会社からすると、どこが仲介に入っているのか他社の状況を把握できます。一方で非明示型の場合、どこに売却依頼を行っているのかについて明示する必要がありません。

どちらにしても、一般媒介契約は専任媒介契約や専属専任媒介契約と比べて売主への制限が少なく、自由度が高くなっています。

一般媒介契約で売却依頼を受けた不動産会社にはレインズへの登録義務や報告義務がないため、積極的な売却アプローチを期待するのは難しいでしょう。もし、売主としてレインズの利用を希望する場合は、特約条項を追加することで登録できます。

不動産売却時に売主が知っておきたい取引状況管理機能

レインズには、売主が売却アプローチの状況を把握するための「取引状況管理機能」がついています。次に、この管理機能についてご説明します。

不動産売却時に売主が知っておきたい取引状況管理機能
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取引状況管理機能とは?

これまでのレインズには、物件の売却アプローチの状況について知る方法がありませんでした。そのため、不動産会社が他社からの買いの要望を断っている可能性があり、両手仲介によるリスクをなくすことができないといった問題がありました。

両手仲介のリスク排除のために開発されたのが取引状況管理機能です。この機能を使えば不動産会社が他社からの買いの要望を受け付けているかを調べられます。取引状況管理機能では、売却アプローチの状況について次の3種類の表示で判断できます。

  • 公開中:客付会社(買主探しを行ってくれる不動産会社)を受け付けている状態
  • 書面による購入申込あり:客付会社から購入申し込みの受付を行った状態
  • 売主都合で一時紹介停止中:売主の諸事情によって物件紹介ができない状態

売却アプローチの状況が「公開中」となっている場合、客付会社からの買主の紹介を拒否することはできません。しかし、「書面による購入申込あり」や「売主都合で一時紹介停止中」となっている場合は、客付会社の紹介を拒否できます。

取引状況管理機能によって、「公開中」の売却物件は客付会社の紹介を拒否できないという強制力を持つようになったため、レインズの登録後の両手仲介はできなくなっています。

取引状況管理機能の使い方

売主は不動産会社と専任媒介契約、または専属専任媒介契約を交わせばレインズの管理画面から売却アプローチの状況について調べることができます。レインズの「売却依頼主物件確認」の管理画面は、不動産会社から渡される登録証明書に記載のIDとパスワードでアクセスできます。

まずは、売却アプローチの状況について「公開中」となっているか表示を確認しましょう。売主が不動産会社に対して何も指示していないにもかかわらず、「書面による購入申込あり」や「売主都合で一時紹介停止中」となっている場合は、売主に相談することなく両手仲介をしている可能性があります。

特に専任媒介契約や専属専任媒介契約を依頼した場合は、売却アプローチの状況が「公開中」で設定されているかをチェックしましょう。

レインズを使えば近所に売却がばれないってホント?

不動産を売却する際、離婚や近隣トラブル、借金返済などを理由に、他の人に物件を売ろうとしていることを知られたくないと考える方もいるでしょう。一般的な売却アプローチでは、チラシやネット広告を通じて「あの家が売却されるらしい」ということが近隣に知れ渡ってしまいます。

また、不動産情報のポータルサイトで売り出し物件として紹介されれば、誰かの目に触れてしまうため、すべての人が閲覧できる媒体への情報公開はできるだけ避けたいでしょう。その際は、専任媒介契約、または専属専任媒介契約を交わして不動産を売却することをおすすめします。

これらの契約方法ならレインズにしか物件情報が公開されないため、近隣に売却を知られることなく買主探しを行ってくれる不動産会社に限定して広く情報を届けることができます。なお、売却依頼先の不動産会社には、「近隣の人に知られたくないのでチラシやネット広告による宣伝はやめてください」と、売主としての要望を伝えておきましょう。

レインズを使えば近所に売却がばれないってホント?
出典:写真AC

【まとめ】レインズ(REINS)を賢く使って不動産を高く売却しよう

レインズは、不動産会社が売却物件に関する情報を広く共有するために欠かせないシステムです。レインズなら専任媒介契約や専属専任媒介契約で生じやすい両手仲介のリスクを抑えることができます。

また、近隣に不動産の売却を知られたくない場合は、レインズの仕組みを賢く使うことでチラシやネット広告に頼らない売却アプローチが可能となります。もし、売却依頼先の不動産会社が決まっていないのなら、グーホームの一括査定を利用しませんか。

「レインズに物件を登録して、売却アプローチをしっかりと行いたい」や「チラシやネット広告なしで、近隣にばれないように売りたい」など、オペレーターが売主の要望に合わせてベストな不動産会社をご紹介します。売却相談は無料ですので、ぜひお気軽にご利用ください。

【まとめ】レインズ(REINS)を賢く使って不動産を高く売却しよう

不動産売却のことでお悩みなら

この記事を書いた人

グーホーム編集部

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これからの不動産の価値を伝えるため、沖縄を駆け回るグーホーム編集部。
不動産の専門家や沖縄に精通する皆様に支えられ、執筆を楽しんで行っています。
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株式会社プロトソリューション

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