株式会社上咲組 上間 整(うえま ひとし)さん|沖縄の不動産会社インタビュー

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宜野湾市の不動産会社:株式会社上咲組 上間 整(うえま ひとし)さんへのインタビュー 宜野湾市の不動産会社:株式会社上咲組 上間 整(うえま ひとし)さんへのインタビュー

設計・施工・不動産を一貫 お客さまの未来づくりに貢献

株式会社上咲組 代表取締役社長上間 整(うえま ひとし) ── 2015年10月号掲載

関西のゼネコン勤務時代に阪神淡路大震災に遭遇。
その復旧に携わった経験が現在の仕事の糧になっているという。

お客さまのニーズを一体型サポートで反映

── 御社では設計や施工、管理まで一貫で請け負っていると伺いました。その経緯についてお聞かせください。

立ち上げ当初は施工を主体にしていましたが、住宅の依頼が来るようになってから、設計や施工後の管理といった全面的なサポート体制のニーズが高まってきました。
例えば弊社が設計・施工を担当した共同住宅で、オーナーさまから管理会社と意思疎通がうまくいかないと連絡を受けたことがあります。
「上間さんの所で管理もお願いできたらいいのに」というお客さまからの声もあり、管理を担当する部門もあった方がお客さまのニーズをよりよい形でものづくりに反映できる近道になるのではないかという考えに至ったのがきっかけですね。
私が大手ゼネコンで勤めていた頃は住宅を手掛けるという考えは全くなかったのですが、周りの同級生や知り合いから「住宅を建てたい」という相談を受けていたのもその流れに繋がったと思います。ただし管理については、自社で建てたり改修を引き受けたりした物件以外は引き受けていません。

── 営業エリアはどのようになっていますか。

北部や離島などでも、求められればどこでも行きますよ!以前に勤めていた会社での付き合いもあって、九州からお話をいただいたこともあります。

── 県外からも広く要望があるというのは、他ではなかなかないと感じます。

「他所を見て学ぶ」というのが何事においても原点だと思います。また、県内だけに孤立してやってしまうと周りの情報が分からなくなってしまう難点も出てきます。だからこそ、弊社に県外の大きな企業とタイアップしていく力があるかというのは常に考えていますね。
かつての私自身の経験も若手の従業員に伝えて、ゆくゆくはJV(共同企業体)など大手と肩を並べて大きな仕事をしたいなというのが目指すところとしてあります。

── 社内には若いスタッフも多く見受けられますが、人数はどれくらいでしょうか。

今は15人ですね。特に若手を募集しているわけではありませんが、この仕事は根気が要るので、必然的に若手が多い形になっているのかなと思います。

── 若いスタッフが集まる背景には、社長のエネルギッシュさも影響があるように感じます。

若い頃は関西でずっと走り回って、夢や希望を持って仕事をしていました。そうして関西から沖縄に帰ってホテルの建設に携わった際、現場スタッフの仕事に対する純粋さも非常に強く感じると同時にマネジメントの部分で力の差を感じました。しかしそれが、マネジメントをしっかりと教えることができればいい会社ができると考えるきっかけにもなりました。

過程にこだわる品質管理

── 御社が掲げているキャッチフレーズ「笑顔咲く未来づくり」についてお教えください。

弊社を立ち上げて今期で9期目に入りますが、2~3年目の頃に「何の為にこの仕事をしているのか」という壁にぶつかりました。そこで原点を見つめ直す為に会社のキャッチフレーズを作ろうと毎月ミーティングを重ねて、3年がかりで作ったのが「笑顔咲く未来づくり」という言葉です。
建物はメンテナンスを欠かさなければ50年維持できると言われています。それを踏まえ、弊社では品質管理の一環として1つの物件を造っていく過程をカテゴリの分別無く全てHP上で公開しています。
建物を綺麗に仕上げるのはもちろんですが、完成に至るまでの過程が物凄く大事。過程をきちんとクローズアップしていくことが、お客さまが品質の良し悪しを見定める評価に繋がると考えています。

── 高い品質を維持していく事がお客さまの笑顔に繋がるということですね。

そしてもう一つ、建物は未来に受け継がれていくものですが、それをどうやってお客さまに提供し、次の代へ受け継いでいく方法を教えるかを考えていくこともキャッチフレーズに繋がります。
例えば車をメンテナンスせずにしていると動かなくなってしまうのと同じように、建物も台風など悪影響を及ぼす事象があった際には清掃を行う必要があります。そういった建てた後のメンテナンスも含めて「建物づくり」。親から子へ受け継ぐという将来も含めたお客さまのライフスタイルをしっかりとチェックし、話し合いを重ねた上でご提案をさせていただきます。
完成後に後悔しないよう、お客さまも一緒になって考え抜いた末、十分に納得した上で建築に入っていくというのが弊社の流れです。スタッフにも「お客さまの為になっているか?」と声をかけて、キャッチフレーズに立ち返った仕事をできるよう促しています。このフレーズは、年々深みを増しているように感じますね。

── まさに御社の根幹を成す言葉となっているのですね。

会社を立ち上げて5年後には人員をどんどん増やして、大規模の仕事を取って……と思い描くのが普通かもしれませんが、もうじき10年を迎えるところで20人弱のスタッフがしっかりと“建物”について理解を深めるのが勝負だと思っています。この10年間は会社の骨格をしっかりと作る期間として、様々な物件に向き合っている状態ですね。

── スタッフとの意思疎通がカギとなりそうです。

意思疎通の点は特に比重を置いています。弊社では営業を専門としたスタッフがいません。皆それぞれが専門の分野を持ちながら、全員で仕事を取りに行く体制をとっています。だからこそ、品質管理を“見える化”して評価を高めて、新しい仕事を受けるという流れを作っていきたい。そのサイクルをスタッフのやりがいにも繋げていきたいですね。

沖縄の住まいに提案。断熱のススメ

── 御社のような一体型の組織ですと、設計から施工への段階に移ったときに、話が食い違うというトラブルも回避できそうです。

弊社のような一体型の組織でも、部署間の意見が折り合わないまま営業だけが先走りし、中身が伴わずに破綻するケースがよくあると聞きます。そうならない為にも、設計や施工のスタッフ全員が技術は当然ながら、予算面についての理解もしっかりと深めていこうというのが弊社の考え方ですね。カーテンレールのような細部まで始めの段階でしっかりと考えた上で見積りを出し、プレゼンを行います。実際に出会ったお客さまには、弊社の良さをより実感していただけていると思いますよ。

── 沖縄の住宅という点で特に配慮している点はありますか。

実際に住んだ経験も踏まえて、断熱は大事ですね。真夏になると服すら溶けてしまうんじゃないかというぐらい暑くなる上に、冷房をかけても室内が冷えるまでに2~3時間もかかってしまう。これを解消できないかと、試しに本土でよく使われる工法を用いて事務所に断熱を施してみたら冷房も効きやすくなり、快適さを段違いで実感できました。
これは沖縄の住宅にも取り入れるべきだと考え、現在は余程予算に合わないというケースを除いて取り入れるようにしています。これもまた、長らく住み続けられる住宅を造る、「笑顔咲く未来づくり」に繋がるものだと思います。それを実現する為にも、お客さまを裏切らない会社の骨格をきちんと作っていきたいですね。

株式会社上咲組

株式会社上咲組

所在地

沖縄県宜野湾市真栄原一丁目21-1

営業時間

08:00~17:00

定休日

日・祝祭日

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