沖縄でリノベーション向きの中古物件、家選びの基準|沖縄リライフ

沖縄でリノベーション向きの中古物件、家選びの基準

2021.06

沖縄でリノベーション向きの中古物件、家選びの基準|沖縄リライフ

購入や継承を検討している物件の立地や採光など「リノベーションでは変えられない部分」があなたの希望条件をクリアしたら「リノベーション向きの物件かどうか」「どういったところに費用がかかるのか」が気になるところ。
家選びの基準を知るためにも、まずは沖縄ならではの建物の特徴から読み解いてみましょう。

目次

沖縄の文化と背景

沖縄には独特の建築文化があります。
「気候風土を意識した建物」や「アメリカ文化に影響を受けた建物」など、本州と比べると小規模な建物でも鉄筋コンクリート造の割合が多くを占めることが特徴です。

一方で、1972年の本土復帰前後から建築ラッシュの頃に、十分に塩分が除去されていない海砂がコンクリートに使用されていたケースもあり「鉄筋コンクリートも大して長持ちしない」と思い込んでいる人が多いのも実情です。
鉄筋コンクリート造の建物は適切に維持管理を行えば100年以上持つと言われていますが、建築時に不適切な材料が用いられていたり、メンテナンスを怠れば数十年で劣化が進行します。
これらの建物でも、適切な補修やリノベーションを行えば使い続けることが可能なのです。

沖縄の文化と背景
沖縄の文化と背景

検討中の物件のこんなところに要注意!

沖縄にも木造の建物が増えてきていますが、今回は冒頭にも述べました沖縄にある住宅の大半を占める「鉄筋コンクリート造の家選びのポイント」をいくつか例を挙げてご紹介します。
以下のような箇所が見つかったときは要注意です。

爆裂したコンクリート

これは長期間、建物を放っておいた証拠です。「鉄筋コンクリートの爆裂」は適切なメンテナンスをしていなかったために、クラック(亀裂)からコンクリート内に侵入した水や空気が鉄筋に到達し、鉄筋が錆びて膨張した結果、耐えられなくなったコンクリートが割れて起こる現象です。
建物のさらなる劣化を防ぐために、サビの撤去と錆止め、モルタルなどによる躯体補修が必要です。

雨漏りのシミ

「雨漏りのシミ」はすでに補修して解決されていますか?
現在進行形で続いているものなら、まずは原因を突き止めて雨水の侵入をとめる必要があります。
すでに補修がされている場合でも、見えない構造部分や壁の内部などに過去に水濡れした影響が出ていることもあるので、今後同じことを繰り返さないよう対処しておく必要があります。

水道管の劣化

解体を伴わない目視だけでは判断が難しい場合もありますが、築年数が古い物件だと鉄管や銅管が使われていることがよくあります。
これらは劣化により錆びて「水漏れ」や「赤水」などの原因となる可能性が高いので、リノベーション時に塩ビ管への取り替えがおすすめです。

爆裂したコンクリート
爆裂したコンクリート
雨漏りのシミ
雨漏りのシミ
水道管の劣化
水道管の劣化

中古物件はイチから新たに作る新築とは違い既にある建物なので、たとえ建てられた当時の図面などを事前に確認ができても、解体して初めてわかることもあります。
受け継ぐ前や購入前にできるだけ詳しく知っておきたいなら、中古住宅の建物調査を受けることができる場合もあります。

雨漏りのシミや水道管の劣化などは内装をやりかえることで直接的に見えなくなる部分ですが、思い描く住まいの理想を叶える前に、これから中古住宅に安心して住む上で最低限対処しておくべき、とても大切な部分です。
また、建物の現状を把握することはトータルの費用を把握することにも繋がります。

本質に目を向けよう

家選びで大事なことは「まずは見に行くこと」です。
室内の間取りや内装といった表面的なものだけを見て判断してしまわないようにしてください。
また、建物を長く使い続ける上で欠かせないことは、やはりメンテナンスです。同じ建物でもメンテナンス次第で寿命は長くも短くもなります。
戸建てやマンションに関わらず、過去に行われてきたメンテナンス状況を確認できる範囲で把握しておきましょう。
そして、親族から受け継ぐ予定の物件、新たに購入を検討している物件があれば、プロの現地調査や購入前の内覧同行で建物の状態を判断してもらうことをおすすめします。

本質に目を向けよう
本質に目を向けよう

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この記事を書いた人

森岡 瑞穂(もりおか みずほ)

森岡 瑞穂(もりおか みずほ)

自身の希望で大阪本社より沖縄事務所に赴任し、同社運営のホテルスタッフも兼務。リノベーションした住宅で暮らしています。

株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所

株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所 リノベーション協議会

自分らしい住まいと新しい空間づくりの提案。1994年設立。日本におけるリノベーションの黎明期から活動し、住まいやオフィスを『リノベーション』で魅力的に再生することを得意としています。

不動産のプロであるコーディネーターと建築士の資格をもった設計者が、物件探しから設計・施工、引き渡しまでトータルにサポート。ビルやアパートの再生コンサルティングも承ります。

沖縄事務所は老朽化したホテルを全面的に再生し自ら運営もするSPICE MOTEL内にあります。

※株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所はリノベーション協議会の会員です。