リノベーションに設計者が必要な理由|沖縄リライフ

リノベーションに設計者が必要な理由

2021.10

リノベーションに設計者が必要な理由|沖縄リライフ

意外かもしれませんが、建築確認申請が必要な新築住宅の設計と違い、リノベーション住宅の設計は、建築士資格がなくても設計することができます。
極端に言うと、この記事を読んでいるあなたが明日から鉛筆と紙を持って設計を始めてしまうこともできるんです。

しかし、新築住宅を設計できてもリノベーション住宅の設計はできないと言う建築士もいるくらい、リノベーション住宅の設計には新築とは異なる知識や経験が必要です。
今回はリノベーションにおいて、どういったところに設計者の知識や経験が重要なのかを探ります。

目次

建物の構造や状態を見極める

新築ならゼロから設計できるのに対して、リノベーションでは既存の建物の状況に合わせた最適な設計が必要です。
同じ建物はふたつとないので、建築の知識や現場を見てきた経験をもとに建物の構造や状態を見極めることが重要です。
既にある建物による制約の中で、どれだけ自由に既存の状態を活かしながら設計を進めるかがリノベーションの計画を楽しみ、唯一無二の住まいを作るかのポイントになるのです。

たとえば素人であれば、間取り変更を優先してなんでも解体できると思ってしまいがちな壁。単に部屋を区切るためだけの目的で設置される壁であれば解体しても問題はありませんが、構造上、建物を支える役割を担い取り払うことのできない耐力壁が存在する場合があります。
もし、この耐力壁を間違えて解体してしまうと建物の耐震性が弱くなったり、建物全体の加重バランスが悪くなり建物が傾くこともあるので、建物全体のバランスを見ながらどこに耐力壁があるか想定する必要があります。
戸建ての場合は建物の劣化具合によっては外壁の補修や補強が最優先となります。これらの費用を確保して予算内で希望のリノベーションを実現できるのかを判断することも必要です。

工事中の様子
工事中の様子
After 壁式構造による取り払えない壁はコンクリートの素材感を活かし、この建物ならではのデザインのポイントに。
壁式構造による取り払えない壁はコンクリートの素材感を活かし、この建物ならではのデザインのポイントに。

既存建物の魅力を提案する

既存の建物の良いところを見つけてそれをどう活かすかを考えるのがリノベーションにおける設計者の腕の見せどころにもなります。
たとえば古い建物では、今では職人がいなくて新たに作ることができないものが残っている場合があります。
それらを新しいものと上手く組み合わせて、その建物ならではのデザインのポイントとすることができます。他にも、既存建物の構造の制約で仕方なくできた空間を上手く活用して、新築のときには考えつかないような間取りが生まれることもあります。
施主自身が希望の図面やイメージ写真を持ってきた時には、それが実現可能かを判断し、完全に実現できないところは施主の意図を汲み取りつつ新たな提案をしていくことも設計者の力量が現れるところです。

オープンだった既存の階段下空間は洗濯機置き場として有効活用。扉で目隠しすることで空間に馴染ませた。
オープンだった既存の階段下空間は洗濯機置き場として有効活用。扉で目隠しすることで空間に馴染ませた。
既存木部と白い壁。新旧ほどよく入り混ることで新品過ぎないどこか懐かしい印象に。奥に覗く木天井と洗面室へのガラリ戸も再利用したもの。
既存木部と白い壁。新旧ほどよく入り混ることで新品過ぎないどこか懐かしい印象に。奥に覗く木天井と洗面室へのガラリ戸も再利用したもの。

迅速な判断が求められる

いざ工事が始まると、解体してみて想定外のことが発生することがあるのもリノベーション。
現場の状況は日々変化してスピーディーに物事が進んでいくので、現場での迅速な判断が求められます。設計者には現場の状況を的確に把握するための知識も必要なのです。

このように、設計者の経験と知識がリノベーションの仕上がりを左右します。
ありきたりの間取りや内装ではなく、既存建物をもとに計画するからこそ生まれるものがあるのが『リノベーションの魅力』です。
信頼できる設計者を見つけて、その建物と施主にしかできない、たったひとつの住まいをリノベーションで実現しませんか。

この記事を書いた人

森岡 瑞穂(もりおか みずほ)

森岡 瑞穂(もりおか みずほ)

沖縄で嫁入りし、そばが大好物に。
「想像を超える提案」×「沖縄らしい建物」でお客さまと一緒にワクワクしたいです。

株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所

株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所 リノベーション協議会

自分らしい住まいと新しい空間づくりの提案。1994年設立。日本におけるリノベーションの黎明期から活動し、住まいやオフィスを『リノベーション』で魅力的に再生することを得意としています。

不動産のプロであるコーディネーターと建築士の資格をもった設計者が、物件探しから設計・施工、引き渡しまでトータルにサポート。ビルやアパートの再生コンサルティングも承ります。

沖縄事務所は老朽化したホテルを全面的に再生し自ら運営もするSPICE MOTEL内にあります。

※株式会社アートアンドクラフト 沖縄事務所はリノベーション協議会の会員です。