プロパティマネジメントに注力し『徹底的な問題解決集団』へ
中部興産株式会社
代表取締役社長
新垣 貴雪(あらかき たかゆき)── 2022年10月号掲載
J-POPやロックなど幅広く音楽を聴いているという新垣社長。
好きな一曲は?の問いには悩みながらもビートルズの「Get Back」を挙げた。
40年目の『第二創業期』社内外の変革を進める
── この度は新社長就任おめでとうございます。現在の率直なお気持ちは。
弊社は今年で40周年を迎えました。
今年を『第二創業期』と位置付け、これまで着手できていなかった課題や新たにチャレンジすべきテーマに向け、使命感に燃えているという心境です。
── 今後の課題として「DX化」と「不動産特定共同事業」を挙げられていましたが?
DX化については社内外両方での転換をイメージしています。
社内では既に基幹システムの入れ替えに着手し、業務効率化を進めています。
電子契約など、お客さまがより便利に住まい探しができるサービス構築へ徹底的に注力していきます。
不動産特定共同事業は、いわゆるクラウドファンディングに近いイメージです。
投資家の方々から資金を募り、その資金を物件の購入や建築に充て、物件の運用で得た利益を分配していくというものです。
この仕組みを構築し、オーナーさまへの新たな投資先として提供していけたらと考えています。
弊社全体のイメージとしては、プロパティマネジメントに注力していきます。
お客さまから預かった資産を管理するだけでなく、その価値をどう高めていくのか提案できる力を高めていきたいと考えています。
── 賃貸事業と並ぶ柱を構築していく、と。
賃貸はもちろんのこと、売買や分譲マンションの管理、建築企画などといった部門ももっと多くのお客さまにご利用していただきたい。
『ワンストップサービス』で建築企画から賃貸・管理、そして出口戦略に至るまで弊社でご提案できるようになりたいと考えています。
── 不動産に対してより幅広いお手伝いをしていくということですね。
弊社は「生活提案企業」であるという経営理念の下、住まいのみならず、『医・食・住』の医(健康)や食の分野についても、生活に密着したお困りごとに対して解決できるようなサービスも広げていきたいと考えています。
その点では弊社スタートにこだわらず、あくまでも問題解決に重点を置いて展開できたらと考えています。
── 『医・食・住』という言葉が特徴的ですね。
これは創業者である弊社の会長が、もともと製薬会社に勤めていた経験が大きく影響しています。
誰の生活にも重要な三つの柱に対し、弊社がどのような形で問題解決を提供できるかを大事にしたい。これがひいては快適な住環境に繋がるものと捉えています。
問題解決に取り組む風土を作る
── 御社では「子育て支援賃貸マンション」「高齢者向け賃貸住宅」などの企画がありますが、今後考えている建築企画などはありますか。
今後の社会情勢を踏まえ、『高齢者向け』と『不動産テック』を掛け合わせたものを考えています。
一例では、「住みんちゅみまもり電球 (※) 」という商品の普及。
プライバシーを守りつつ安否確認ができるので、別々に暮らすご家族にとっても、物件を提供するオーナーさまにとっても安心材料になります。
さらに、警備会社による駆け付けサービスを組み合わせることで、高齢者の方でも賃貸物件に住みやすくなる施策になるのではと考えています。
※住みんちゅみまもり電球:電球の点灯・消灯情報を専用アプリに通知するサービス。
── セキュリティの新たな形ですね?
このようなサービスは空室対策にも繋がると思います。
現在の沖縄は高水準の入居率を維持していますが、これが永久に続くとは限りません。
弊社が目指すプロパティマネジメントを実現するためには、空室対策は重要。
安心材料をさまざまな形で増やすことで高齢者の方も安心して入居できる環境を整え、ひいては空室対策にも寄与するという流れを作っていきたいですね。
── さて、今後という点では人材育成も重要なカギになると思いますが
そうですね、人材教育には力を入れていきたいと考えています。
スキルはもとより、問題解決のための意識教育がその軸。
お客さまのために問題を解決するという心構えと、具体的な情報収集、仮説の組み立て、そして提案というプロセスを習慣づけることからスタートしていきたい。
また、長くサービスを提供し続けていくためには、後輩指導も重要な要素。
経営陣だけが教育を考えるのではなく、先輩から後輩へ教えを継承する風土も作っていきたいと考えています。
── リーダーが次のリーダーを育てていくという環境を作る
特に心構えについては「順序を間違えないように」と。
売上は、あくまでも結果として後からついてくるもので、大事なのはお客さまからの信頼を勝ち得ること。
その信頼を得るためには、一つ一つの問題・お困りごとを解決するための提案を積み重ねていく。
この順序を間違えてしまうと企業が長続きできないので、社員一人ひとりと共有していきたい。
そうやって長く働ける環境づくり、新しい事にチャレンジしていく風土を作っていきたいですね。
新生『中部興産』へ!改革へのチャレンジ!
── 『第二創業期』にはチャレンジは欠かせない要素?
変化がある企業は魅力的。
第一線で長く活躍する大企業ほど、時代の変化に合わせて自身の変化にも柔軟。
弊社もそのような企業を目指して、さまざまな変化にも柔軟に対応していきたいですね。
── 変化を恐れない姿勢
一つの物事を長くやり続けていくことも大事ですが、それに固執して自分に変化が加えられないのは良くない。
状況を見ながら私自身も、会社全体も変わっていけるようにしたい。
常に「正解は無い」という感じですね。
── 長く続けるために変化を続けていく
もともと名古屋の企業に勤めていたのですが、そこでいわゆる『トヨタ式』の経営を目の当たりにしました。とても印象的だったのが、『問題ないことが問題だ』という言葉でした。
問題ないということは「問題を見つけ切れていない」あるいは「問題から目を逸らしているのではないか?」と。
「常に問題意識を持って状況を観察し改善を図る」その徹底ぶりが印象的で、弊社の企業文化としても根付かせていけたらと思います。
── 問題意識を常に忘れず、変化にチャレンジする
社員が自分自身でチャレンジしたい問題を見つけて取り組み、PDCAサイクルでより良い結果を出す。会社はそれに対して評価をし給料にも反映させる。
その方が評価も明確になりますし、やりがいにも繋がると考えています。
これに合わせて人事評価制度も改革を進めていますが、社内では『中部興産VISION2025』と名付けた中期計画を掲げ、会社の制度自体もどんどん変えている最中です。
また、お客さまにとっての「徹底的な問題解決集団」を目指していきたいです。
地域の問題に対して真剣に取り組む存在を目指していくことで、ゆくゆくは沖縄だけに留まらない存在にもなれるのではないかと思います。新生・中部興産にぜひ期待していただきたいですね!
── 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!
中部興産株式会社
- 所在地
沖縄県沖縄市仲宗根町24番9号
- 営業時間
09:00~17:30
- 定休日
日曜定休日(2月中旬~4月中旬は日曜日営業)
周りの仲間たちに支えられて25周年『正直な行動』が秘けつに!
有限会社パステル
上原 幸生さん