リノベーションで分電盤とインターホン・ドアホンの位置は変えられない?|沖縄リライフ

リノベーションで分電盤とインターホン・ドアホンの位置は変えられない?

2024.02

リノベーションで分電盤とインターホン・ドアホンの位置は変えられない?|沖縄リライフ

ご自宅や中古住宅をリノベーションしようと考えたときに、分電盤の位置を気に留める方はそう多くないと思います。回路数は気になるけど、なかなか分電盤自体の位置には目が向かないもの。
今回は知っていたら役に立つかもしれない分電盤とインターホンの位置変更の可否についてお話しますね。

目次

分電盤の位置は可能?

結論からお伝えすると分電盤の位置を動かすことは「大幅でなければ」可能です。
「大幅でなければ」というのはマンションでも戸建てでも同じで、分電盤の幹線が移動させたい位置まで延長できれば良いのですが、そうでない場合は幹線を継ぐ必要があるので電気工事が複雑になりコストもかかるので、向きを変えたり、小さい範囲にとどめておく方が無難と言えます。

マンション分電盤の位置
マンション分電盤の位置
戸建て分電盤の位置①
戸建て分電盤の位置①
戸建て分電盤の位置②
戸建て分電盤の位置②

電気容量の変更は可能?

昔の分電盤は8~12回路程度だったのに対し、今では24回路がスタンダードとなりました。回路数が倍近くになったのは単に使用する家電が増えただけではなく、消費電力が大きくなっているから。
特にキッチンで使用する家電は消費電力が大きいものが多く、同時に使用すると容量を超えてしまうため遮断されることがないように専用回路を設けることが多いです。

電気容量が小さいマンションであれば、現代の仕様に合わせて電気容量の変更は必須。ですが、マンション全体で供給量は決まっているため、余裕がない場合は変更できないケースもあるので管理規約を必ず確認しましょう。

余談ですが、30年前と比較するとコンセントと照明器具の数もおおよそ3倍です。
昔は各居室にコンセントは2個、照明は天井に1つという仕様だったのに対して、今は自宅で仕事をする方も多くなり、机周りにパソコン用や携帯・タブレット用と必要に応じてコンセントを設置することが主流となりました。
そのため壁の中に張り巡らされている配線の長さは200m程度だったのに対して、今は1km近くもあるのです。
すごく長いですよね。現場で新設された配線の多さ、長さには毎度のことながらビックリします。

インターホンは動かせる?

マンションの場合

リノベーション前のインターホン
リノベーション前のインターホン
リノベーション後のインターホン
リノベーション後のインターホン

オートロック機能が付いているマンションであれば、インターホンは分電盤と同様に上下階と繋がっているため移設は難しいですが、向きを変える程度ならOKの場合もあります。わが家は中古マンションをリノベーションしていますが、向きを反転させました。

マンション インターホンの位置
マンション インターホンの位置

解体後は写真のようにインターホンが宙づりにぶら~んとしています。
位置が移動できないうえ、ここに壁を作るというミッションも同時に付け加えられるため、間取りを構築するときには注意が必要。

リノベーションを機にインターホンを新しくしたいと考える方が多いのですが、マンションの場合はそれもNGなのです。
インターホンは専用部分となる居室内にありながらマンションの共有物であり、交換は修繕積立金を使ってマンション全体で行います。
わが家も先日、一斉に取替工事が行われました。まだまだ使えましたが、他のお部屋ではちらほら不具合の相談があったようです。ひとつずつ交換したらいいようにも思いますが、1階エントランス横にある管理人室と連動しているため、交換する場合には一斉になるとのことでした。15~20年程度で交換される場合が多いと思います。

オートロック機能のないマンションの場合は個別で変えられるケースもあります。マンションの管理規約に記載がありますので確認してから行いましょう。

戸建ての場合

戸建ての場合はマンションよりも自由度が高く、無線でつなぐワイヤレスインターホンを選択する方が多い傾向にあります。ワイヤレスインターホンは有線による配線工事を省略でき、門扉に付けたいという要望にも対応できるため使いやすい仕様です。

機種によって差はありますが電波の到達距離は100mあるものが多く、若干のタイムラグはあるようですが玄関ドアや壁があっても通信することが可能。二世帯住宅にリノベーションをしたい方にも導入しやすいですね。設置に関してはストレスなく使用できる環境か事前に施工会社に確認しましょう。

まとめ

  • 分電盤の位置は、戸建て・マンションともに大幅な移動は避けた方が無難。
  • マンションのインターホンはほぼ動かせない、交換も個人の判断では不可(管理規約を要確認)。
  • 戸建ての場合は設置場所は割と自由に決めることができるが、有線よりも無線を利用したワイヤレスインターホンのほうが柔軟度が高く、コストバランスも良い。

いかがでしたでしょうか?いざというときに、知識として持っておくと役立つかもしれません。
お読みくださり、ありがとうございます。

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この記事を書いた人

佐藤 友恵(さとう ともえ)

佐藤 友恵(さとう ともえ)

島根県出身。大阪の工務店で現場を通して家づくりを学ぶ。
設計士の夫と「in tree」を設立し、夫婦それぞれの目線から暮らしやすい家のかたちを考え提案する。

株式会社in tree

株式会社in tree リノベーション協議会

リノベーション以外に木造新築の設計施工も行う。
無垢材をはじめとした自然素材を使い、シンプルで居心地のいい住まいを手の届く価格でつくる。
中古マンションを夫婦でリノベーションした自宅は、オフィスを兼ねたモデルルームで内覧が可能。

※株式会社in treeはリノベーション協議会の会員です。