キッチンのはなし ~わたしに合うキッチン~
2023.09

家づくりの中でキッチンは、料理をする人にとって『何よりもこだわりたい』と言っても良いほど重要度の高い箇所ではないでしょうか。わたしも自宅のリノベーションの際にはかなり時間をかけて、うんと考えて決めました。
キッチンを選ぶうえで決めることは多々ありますが、「どんな機能が必要」で「どんな形が自分に合うのか」。まずはこのふたつを考えるところからスタートすると、サイズ感とコストが見えてきて、間取りの構築や見積りの精度が上がってプランニングがスムーズに進みます。
今回はキッチンの形についてお話したいと思います。
目次
キッチンのタイプ
キッチンは大きく分けて、「対面式」と「非対面式」とあります。
「対面式」はキッチンの正面に壁がなく、ダイニングやリビングに向かって開放的なタイプ。
「非対面式」はキッチンの正面に壁があるタイプです。
対面式のキッチンはダイニング、リビングにいる家族とコミュニケーションが取りやすいところが魅力、非対面式のキッチンも正面の壁にタイルを貼ったり、バーを付けたりと自分好みにカスタマイズできて使いやすいです。
キッチンの種類
それでは、キッチンの種類を見てみましょう。
「対面式」と「非対面式」に分けると以下のようになります。
対面式
- アイランドキッチン
- ペニンシュラキッチン
- I型キッチン
- 二列型キッチン
- L型キッチン
非対面式
- 壁付けキッチン
アイランドキッチン
名前の通り「島」を意味していて、壁に接していないキッチンです。
わが家もアイランドキッチンを採用しました。実際に使ってみると料理をするだけではなく、いくつかの要素と組み合わせられるところに『使い勝手の良さ』を感じます。
例えば作業スペースはテーブルとしても使えますし、お花を飾ったり本を置いたり、書き物をしたり。たこ焼きやお鍋もコンロで作りながら向かい合って食べられて◎です。
デメリットとしては開放的ゆえに、カウンターが荒れていると部屋全体が散らかって見えるところ。汚れも目立ちやすくこまめなお手入れが強いられます。
必要に駆られて普段から拭く習慣が身についた今となってはデメリットとも言い切れないような気もしますが、配置できる箇所が限られること、高コストな点がデメリットかなと思います。

ペニンシュラキッチン
ペニンシュラキッチンは、キッチンの片側(主にコンロ側)が壁に接していて「半島」を意味しています。
コンロ前に壁はなくオープンで、アイランドキッチンの片側が壁に接しているような形。
メリット・デメリットはアイランドキッチンでお伝えした点と重なる部分が多いため割愛しますね。アイランドキッチンと比べると低コストなところが魅力。
I型キッチン
対面式I型キッチンは配置しやすくコストバランスの良いキッチンです。
コンロの前に壁を立ち上げることでリビングダイニングからキッチンの中が見えすぎず、ほどよい開放感。ちょっとくらいシンクや作業台が散らかっても、表から見えないのは心強いです。

二列型キッチン
二列型キッチンは非対面式の「壁付けキッチンとペニンシュラキッチン」のふたつの要素を兼ね揃えたキッチンです。
横幅を短くできるため省スペースに配置しやすい点がメリット。
I型キッチンの標準的な横幅は250cm前後ですが、間取りを考えていると直線でキッチンを配置しない方がスムーズな動線を結べることがあります。
二列型キッチンは片方を140cm、もう片方を200cmとスペースに合わせて配置できて、作業スペースも十分に確保できる使い勝手の良いキッチン。
ふたつを合計するとサイズが大きくなり、その分コストもかかるため、キッチンの背面に配置するカップボードの要素も兼ねたキッチン+カップボードと考えて計画するとコスト面から見ても取り入れやすいと思います。


L型キッチン
L型キッチンはシンク側とコンロ側をL字型に配置したキッチンです。
考え方としては二列型と似ていて、スペース的に直線ではキッチンが配置しづらい場合に採用されます。
わが家のアイランドキッチンをL型にしたのもスペースが足りなかったからです。
デッドスペースとなるコーナー部分は、外側に本棚を作って有効活用しました。
普段使っていて良いと感じる点は、L字に折れているためコンロからシンクに手が届きやすく、移動距離も短くサッと移動できるところ。コストはI型と比べると高くなります。
非対面式の壁付けキッチン
最後にお伝えするのは非対面式の壁付けキッチンについて。
冒頭でもお伝えしたとおり、キッチンの正面が壁になっているキッチンです。
正面の壁には好きなタイルを、手の届くところにフックやバーを取り付けて自分好みにデザインできるところが楽しい。
好きな物を眺めながら洗い物や料理ができるので、次に自分のためにキッチンをつくるなら壁付けキッチンを採用したいと思っています。
キッチンの背面には腰高のカップボードやカウンターを配置すると、料理中や配膳のときに仮置きできて便利。
壁付けキッチンは省スペースにも配置できてコストバランスも良いキッチンです。また、先ほどお伝えしたL型キッチンも非対面式として配置することができるので、スペースの問題でI型キッチンの配置が難しい場合におすすめです。

まとめ
いかがでしたでしょうか?ご自身やご家族と相性の良さそうなキッチンはどれかな?と考える中で、少しでもご参考になれば嬉しく思います。
どのキッチンを選ぶかによって、リビング・ダイニングの形や動線も変わってきますので、ぜひメリット・デメリット含めて、ぜひじっくり検討してみてくださいね。